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人間はなぜストレスによって副腎皮質ホルモンを分泌するのでしょうか?
この答えは、実は野生の動物全般に共通しています。野生動物が走るのは、追うにしろ追われるにしろ強いストレスを感じた時だけです。そのため『ストレスを感じたらホルモンを分泌し、ブドウ糖を大急ぎで増産して、全速力で走る準備をする』という仕組みが出来たのです。私たち人間は動物に追われることなど無いのに、私たちの遠い先祖が生きるために、草原を走り回っていた時代からストレスを感じたら副腎皮質ホルモンを分泌するという仕組みが身体に備わっているのです。
『いつもライオンに狙われているシマウマは、なぜ胃潰瘍にならないのか?』という面白い問を立てた学者がいます。その答えは、「シマウマは『明日もまたライオンが来たらどうしよう?』などと思い悩まないから」というのです。つまり、実際に走るとき以外によけいなストレスを感じないのです。
ところが、私たち人間はなまじ智恵があるものだから、将来のことを思い悩みます。明日のことどころか10年先、20年先のことまで悩みます。そういう悩みがストレスになるのです。
とはいえ、人間である限リストレスは無くならないし、時にいい意味でストレスが大事なこともあります。集中力やチャレンジ精神を発揮して好成績を残したような場合には、よいストレスといえます。
一方、人間関係の悪化を招いたり、疲労が溜まって病気を引き起こすようなストレスは悪いストレスで、心身にさまざまな影響を及ばします。要は、ストレスを感じ続け、ホルモン出っぱなしの状態を避ければよいのです。そのためには、悩んでも仕方ないことをいつまでも悩み続けないことです。
『心配は良いが、心痛は良くない』という言葉があります。心配とは文字通り『心を配る』ことで、現実に起きた問題にあれこれ対処することです。当然、強いストレスを感じますが、それはあってしかるべきストレス反応です。それに対し、やるべきことをやったあとでくよくよ悩むのは『心痛』で、これこそが病気の引き金になると専門医は見ています。
5年ほど前、アメリカの『ソーク生物学研究所』で、人類の未来を大きく変えるかも知れない画期的な発見がなされました。従来、脳細胞は成長期を過ぎたら減る一方だと考えられてきましたが、成人してからも増えるということが分かったのです。 特筆すべきは、『楽しい刺激、快い刺激』で脳細胞が増えるということです。例えば、様々な芸術作品や人とのやりとりの中で感動すること、そうした刺激が脳剤胞を増やすのです。
日本も人生80年の長寿時代になって元気なお年寄りが増えています。そうした人達は、毎朝決まった時間に起きて食事をしっかり摂り、庭仕事をしたり、読書をしたりして、夜も早く寝ています。そして、家族や友人と会話を楽しみながら、食事や散歩をしている人が多いのです。元気なお年寄りは、脳もとても若いことが分かっています。家に引きこもらずよく外出するので、様々な刺激を受けて脳細胞が増えるからです。その意味で感動に満ちた生活を送ることこそ、ストレスに負けない生き方の第一条件であるといえるでしょう。そして常に感謝の心と愛する心を持つことです。
(2005.12.8)
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