読書は知識を広げ、教養を深めてくれます。実はそれだけでなく、脳の活性化に大きな役割を果たすことが、最近の研究から明らかになってきました。
このところ、ますます『活字離れ』が進んでいると言われています。『そう言われてから久しいですが、出版される本の数はむしろ増えているでしょう。どんなに便利な世の中になっても、本や新聞などの活字文化は絶対にすたれないと思います。
なぜなら、読むという能カは人間が文化的であるための基本的能カであり、読書は脳を鍛えるために不可欠な方法なのですから』と指摘するのは脳を専門とする医学博士、築山節(つきやま・たかし)さんです。
●脳は筋肉と同じ
読書が脳を鍛えるとは、どのようなことなのでしょう。
『脳は筋肉と同じようなものだと考えてみてください。筋肉を鍛えるためには自分が運動するしかありません。走ったり、トレーニングマシンを使ったりと方法はいくつかあるかもしれませんが、あくまで能動的に行うものです。脳にとって読書は、筋肉にとっての運動と同じなんです。脳を艘えるのに、読書ほど適した方法はないのですよ』
大脳は場所によって、働きが異なります。大きく分けれぱ『前頭』は思考や学習、『頭頂』は運動や触覚、『側頭』は聴覚、『後頭』は視覚をつかさどるという具合です。
脳を鍛えるためには、できるだけ脳全体を使う方法が効果的です。読書は多くの本の中から読みたい本を自分で選ぶところから始まって、目を通じて活字を脳に入カし、言葉の意味を理解し、解釈し…、さらにぺージをめくる時の手触りや紙のにおい、時には声に出して読んだり、読後には感想を話したり、と脳をフル回転で使うことができます。
『筋肉強化には適度な負荷をかけるダンベル運動が効果的と言われますが、読書は“脳のダンベル運動''と言えると思いますね』
●脳を鍛える読書スタイル
読書にもさまざまなスタイルがあります。脳を鍛えるという観点でお勧めの読書スタイルは、『ながら』『繰り返し』『朝』がキーワードです。
脳は同時に色々なことをやると、より活性化します。読書も同様で、声を出しながら読んだり、読みながら書いたりすると、より効果があります。
そして、内容が自分のものになるまで繰り返し読んで理解すると、知識が深まります。とくに子どもは脳が未発達のため、1回読んだだけでは穴だらけのパズルのような状態で、2回、3回と読むうちに、徐々に全体像がつかめるようになります。
また、同じ読むなら朝が効果的だそうです。脳にも調子がよい時や悪い時があり、朝は睡眠によって脳がもっともリフレッシュしている時間。また、人間には体温やホルモンのリズムがありますが、朝はすべてのリズムが活動を始めようとする態勢になっています。読書をすると脳の血流がよくなるので、1回の始まりに弾みがつくというわけです。
朝、短時間でも本や新聞を読む習慣を身につけて、脳を生き生きとさせませんか。
(2005.1.1)
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